五二半捕物帳〈4〉御府内隠密廻り同心 (春陽文庫) 価格:1,296円 新品の出品:円 中古品の出品:1円 コレクター商品の出品:361円 カスタマーレビュー まだ明け切らぬ白い道を、守宮の弥八は背を丸めて歩いていた。三十歳の働き盛りには見えない後姿であった。弥八は元からくり人形の細工師で、手先の器用が徒で盗みの道へ。約一カ月前にどじを踏んで捕まり、十両盗めば首が飛ぶといわれる土蔵破りの総額が千二百余両とて、市中引廻しのうえ獄門を申し渡されたが、“赤猫”で牢払いになったのだった。弥八は思い悩んでいた。行こか逃げよか、決心がつきかねているのだった。引き返せば罪一等は減じられる。が、ご赦免になるわけではなく、いずれ三宅か八丈か…。と、そんな弥八の心の迷いに、そっと声をかけてきた男があった。(第八話「泥棒市」)―五と二の半目を押し通して“五二半の旦那”と呼ばれる甲斐半次郎の捕物話全八話。 |
新 五二半捕物帳―御府内隠密廻り同心 (春陽文庫) 価格:691円 新品の出品:円 中古品の出品:1円 コレクター商品の出品:7,980円 カスタマーレビュー 日本橋の本材木町3丁目と4丁目の間の河岸っ縁にある大番屋は、俗に「三四の番屋」と呼ばれている。その三四の番屋から本郷は湯島天神境内の矢場女お袖が5日ぶりに放免されたのは、春の昼下がり、河岸の柳から雫が光りながらこぼれている雨上がりのことだった。お袖は過去に3度の妾奉行をしていたが、いずれも短い間に死別し、“死神を連れた女”といった暗い影を漂わせていた。そんなお袖を、海賊橋のたもとですれ違った道楽者らしい三十男が、昼間からの酒機嫌らしいとろんとした目つきで眺めていた。(第1話「泥の雛」)―“五二半”と呼ばれる捕物名人―南町奉行所隠密廻り同心甲斐半次郎が、人情味あふれる活躍を颯爽と見せる捕物ばなし、全8話で構成する会心編「新五二半捕物帳」。 |